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【Cheer Up!陸前高田】仙風会~追悼、そして子どもたちが空を見上げられるように~

6月も最終日。東北も昨年より21日遅れてやっと梅雨入りしました。
紫陽花が潤いを増し、色鮮やかに咲く陸前高田です。

今月の「CheerUp!陸前高田」は、毎年3月に東日本大震災で亡くなった方々を追悼する
「天旗祈願祭」を行っている「仙風会」をご紹介します。

「仙風会」は、趣味でスポーツカイトを行っていた代表の佐藤さんが、仲間と「天旗祈願祭実行委員」として
立ち上げました。現在は「仙風会」として会員5人で活動しています。2013年3月から、3月11日直前の日曜日に、
震災で亡くなった方々を追悼する連凧上げ「天旗祈願祭」を行っています。

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震災後、子どもたちの遊び場がなく、大人も子どもも下ばかり見ていたと言います。
しかし、ふと空を見上げると青い空が広がっていて、佐藤さんは「外で元気に遊んでいる大人がいれば、子どもたちが集まってくる。
自然から学ぶことは沢山ある。同じ空間で大人が教えてあげることができれば。」と感じたそうです。

スポーツカイトの仲間と相談し、自分たちができることで動こうと活動を開始。
当初は、大きな一枚の凧を揚げる案もありましたが、いろいろ調べる中で「連凧だったらできるかもしれない」と、
中心メンバー2人で決めました。凧の数は1896枚。1m間隔でつなげられており、100枚の連凧6本、60枚が20本、96枚1本。
そこには、この気仙地域((陸前高田市、大船渡市、住田町)で亡くなられた1896人の方々への思い、
そして、これ以上凧の数が増えて欲しくないという願いが込められています。

震災から2年目の3月。
第一回が2013年3月10日(日)に元岩手県交通・バスターミナルの跡地で開催され、
約500人が集まりましたが、強風のため、全ての凧を揚げることはできませんでした。
「風が怒っている。まだ時期が早かったかな?」と感じたそうです。

第二回2014年3月9日(日)、旧陸前高田駅前。
この日は快晴で南風。全27本、1896枚がメンバーと集まった人々の手で空に上がりました。この時は、
上げたというより風に運んでもらったという感覚で、「3年経って、下と上で気持ちがつながってきている。」
と感じたそうです。

第3回2015年3月8日(日)、旧高田病院跡地。
朝から雨の生憎のお天気でしたが、凧を揚げる直前に雨が止み、まさにこの時を空が待っていてくれたようで、
上との気持ちが通じた時間のようでした。

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(第二回の様子)                                    (第三回の様子)

「天旗祈願祭」には「祭」の文字が入っていますが、あくまで追悼、供養の意味で開催しています。
しかし、自然が相手なので直前まで開催できるかどうかがわからない不安定な要素があり、また、復興事業、高田町の嵩上げ工事が
進む中、開催場所の確保、許可を得ることが年々難しくなります。そのため、事前の告知が十分にできず、当日の人手を集めにくい
問題もあります。それでも、気仙地域では7回忌が本供養と言われており、7回目までは必ず続けていきたい。
そして第7回は、1回目のようににぎやかに開催したいとの意気込みがあります。

その先も、もちろん続けていく気持ちですが、一か所での開催にこだわらず、同じ日、同じ時間に気仙地域に複数の場所で
凧があがる形でもいいと考えているそうです。子どもたちが空を見上げて、この連凧の意味が代々メッセージとして繋いで
いけければいいと、話してくれました。

天気や会場確保など、難しい部分もありますが、風に乗って上がる連凧は、空への美しい階段となっています。
毎年家族で参加して下さる方もいらっしゃるようです。1人でも多くの人に見て欲しい、という子どもたちへの思いも込められた
この活動。今後も応援していきたいと思います。

※天旗祈願祭の様子は、まちづくりプラットフォームfacebookでも紹介しています。
第二回
第三回

カテゴリー: Cheer up! 陸前高田 






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