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気仙川川開き 【高田のはなし】

8月お盆。家族親族が集まる時期ですね。市内でも帰省された方々のいろいろなナンバープレートの車を見かけました。さて、今回の高田のはなしでは、気仙川川開きについてお届けします。

昭和初期から続く行事

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(慰霊ご祈祷の様子)

8月15日(月)、気仙町今泉地区にある金剛寺付近で気仙川川開きが行われました。川施餓鬼(川で亡くなった方々の霊を弔うこと)、先祖への供養として毎年この時期に行われている行事で、2011年以降は東日本大震災で亡くなられた方々への供養も込めて、慰霊祭、灯籠流し、けんか七夕ばやし演奏などが行われています。

これまで気仙川川岸で開催されてきましたが、今年は今泉地区の嵩上げ工事が本格化した影響で、従来の場所から少し離れた高台が会場となりました。

実行委員会会長の村上さんにお話を伺うと、「今年と来年くらいまでは工事があるからな…」と一言。川開きの歴史については、「今日もみんなでその話になってさ、子どもの頃からずっとあるものだけど、昭和初期くらいからやってるようだよ」と教えてくれました。また、昔は気仙町の海側の地域である長部地区で、海難者のご供養も行っていたそうです。海や川とともに生きてきた地域だからこそだと感じます。

 

ご先祖様供養と地域への想い

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(お話を伺った佐藤直志さん)

会長さんが、詳しいことを聞くならこの人!と紹介して下さったのが、今泉地区に住む実行委員の佐藤直志さんです。

実はこの方、震災後に制作されたドキュメンタリー映画『先祖になる』の主人公です。映画を通じてご存じの方も多いかもしれません。

「川開きはな、ご先祖様への供養なんだよ。子ども頃からずっとやってきたものだよ。それを絶やさずに続けていくことが大切だ。俺はもし自分一人だとしても続けていくという気持ちだよ。地域で大切にしてきたものは絶やしてはダメなんだ。お祭りもそうだけれど、そこに地域の人たちがこうやって集まってくる。それが大事だからな。」と、会場に集まってくる方々を柔らかな笑顔で見守りながら話してくれました。

「やって見せ、言って聞かせて、褒めて伸ばす」と、若い世代への想いも聞かせてくれました。「言葉だけじゃなくやることが大事なんだよ」と話す中に、自分が動くことを心がけてきたという佐藤さんの力強さも感じました。

 

川面を美しく流れる灯籠

灯籠流しは従来通り気仙川に出た船から行われ、高台から川面を流れる様子が見えました。途中、ザーッと降った強い雨も、天から降ってきたんだな…と思えるほど厳かな気持ちで眺めました。

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(写真中央に灯りの帯になっているのが気仙川河口(右方向)に向かって流れる灯籠)

そう言えば、去年の川開きも雨だったように記憶しています。
川の右手前は姉歯橋の復旧工事でしょうか?復興に向けて景色が変わりゆくまちですが、この美しい灯籠の流れと、その意味が世代を超えて伝わっていって欲しいと感じます。

カテゴリー: 高田のはなし 






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