三陸わかめ~その③:加工場の作業編~【高田のはなし】
4月から連載してきた、陸前高田広田湾の特産品「三陸わかめ」。
最終話となる今回は、“加工場の作業”の様子をお届けします。
海で刈り取られたわかめが、みなさんの家庭の食卓に並ぶまでに、実はすごい職人技が詰まっていたのです!わかめ漁師直伝の料理方法も聞いてきましたので、ぜひ最後まで読んでくださいね。
加工場での作業が品質に響く?
浜で一晩脱水したわかめは加工場に運ばれます。
村上さんの加工場では、まずはわかめの葉先と根本にわけてから、芯と葉の部分に分けます。これが「芯抜き」と呼ばれる作業です。一般に販売されているのはこのわかめの葉の部分です。
1本ずつやらなければならないので、時間と手間がかかります。しかも、その精度によって、販売するわかめの品質にも響いてしまう大事な作業です。
以前、わかめ漁師の奥様が「シーズンの時は猫の手も借りたい忙しさ」だと話していたので、「芯抜き作業手伝います」と気軽に手を挙げたものの「素人がやったものは売り物にならないから…」と言われたことを思いだしました。
それくらい気を遣う作業ですが、さすがは慣れたお母さんたち。話を伺っている間も作業の手は止まりません!
シーズン中はこの芯抜き作業も連日続きます。
その後はプレス機を使って、本格的に水分を抜きます。プレス後のわかめは、見た目も更に締まって格好いい感じがします。
その後、網の上で余分な塩を落とし、葉の大きさによって分けていきます。カゴに分けられたものをよく見ると、確かに大きさが違いますね。
こうした加工場での作業を経て、塩蔵わかめとして市場に出ていきます。
三陸わかめ漁師おススメの、わかめ料理レシピ!
最後に漁師さんおススメのわかめ料理を伺いました。
わかめは生なら湯通し、塩蔵なら塩抜きをしてから使います。
炊いたご飯に湯通しして細かく切ったわかめとバターを混ぜ、最後にしょうゆを少したらします。
水気をしっかり切った豆腐に、砂糖、醤油とわかめを混ぜ、最後にゴマを入れます。
味付けはめんつゆでもOKです。写真は、取材した日に浜でご馳走になった、村上さんのお母さんお手製の白和えです。とても美味しかったので、是非みなさんも作ってみてください!
今回、三陸わかめについて漁から加工までを3回にわたりご紹介しました。
身近な食材ですが、食卓に上るまでの過程を実際に見る機会は少ないので、これだけ手間暇かかっているものだと改めて感じました。
また、村上さんから海や作業に関わる話を伺うことで、海の恵みと一緒に生活してきたこの地域について考える機会にもなりました。
やはり、この海の恵みは地域の自慢です。ぜひ美味しいわかめを食べに、陸前高田へいらして下さい。