【高田のはなし】秋の風物詩―町民運動会
2013年10月28日
暖かかった月の上旬とは変わり、陸前高田では冷たい秋風が吹く季節となりました。
さて、今回は陸前高田の「町民運動会」についてお伝えしたいと思います。
10月13日(日)、体育の日の前日に、市内では各所で町民運動会が開催されました。
陸前高田市の各町でこの時期に行われる町民運動会は、地域の体育協会が中心となって各町で毎年大いに盛り上がる、地域の一大行事の一つでした。
町内の各部落毎の対抗戦で、子どもから高齢者まで町の人が多く集まる大きな場としては、唯一の行事であったかもしれません。
1日がかりの大イベントで、昔は屋台等も出てたいへんに賑やかでした。
町によってはこの日のために入念な練習を繰り返し、優勝に向けて強い意気込みでもって当日に望むといったこともあり、町民運動会が近くなると日が暮れた後に集まって練習に励む町民の姿が見られる…ということもありました。
会場は主に中学校のグラウンドなどを使用していましたが、震災後は仮設住宅団地となり、開催する場所がなくなっていました。
また、被災の大きかった町では町民がばらばらになってしまい、なかなか開催することが出来ませんでした。
そんな中、震災後初めて開催された町民運動会。
当日は風が強い状況でしたが空は晴れ、運動会日和になりました。
集まった人々は久しぶりの町民運動会を楽しみ、歓声を上げ、チームの仲間の活躍に大きな拍手を寄せていました。
こうして元のコミュニティーの住民同士が集まる場としては、震災後初めてという地区もありました。
コミュニティーの一つの場として、「町民運動会」が来年以降も続いていき、また開催される地区が増えていく事を願うと共に、かつての賑やかだった姿に戻る日が早く来ることを願います。