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【高田のはなし】復興のあゆみ―後編

東日本大震災発災から、5回目の3月11日を迎えました。
陸前高田だけでなく、被災地全体で、今日という日は静かに祈りを捧げる日となっていると思います。
震災で犠牲になられた方々のご冥福をお祈り申し上げます。
さて、前編に引き続き、facebookページに毎月掲載している「定点観測」写真から、この一年間を振り返りたいと思います。

■かさ上げ工事の進む旧市街地
下和野より4月
2014年10月から入居が開始している下和野災害公営住宅からは
かさ上げ工事が進む旧市街地の様子が良く見えます。
写真は、2015年4月の眺めです。
奥の山との境付近に見えるのは、稼働中のベルトコンベアーです。(黄色の〇部分)

下和野より10月
10月。中央付近に、かさ上げ部分に上るための道ができているのがわかります。
同時に、奥に見えていたベルトコンベアーの白い姿がなくなりました。
かさ上げに大きな役割を果たしたベルトコンベアーは、2015年9月末で稼働終了しました。

下和野より11月
11月には、かさ上げ部分に上がるための道路が舗装されました。
また、手前には新しい道路がつくられています。

このかさ上げ部分には、平成28年度以降に商業施設の再建が始まり、
新しい商業地がつくられる予定です。
目玉となるのは、図書館とショッピングセンター、ドラッグストア等を
併設する大型施設で、平成29年3月の開業を目指して整備が進められます。
大型商業施設と道路を挟んだ区画には「まちなか広場」も整備予定で、
子どもからお年寄りまでが集う場所になるようにとの思いが込められています。

住宅街から離れた場所にできる新しい商業地は、人の流れもゼロからつくらなければなりません。
出店を迷う事業者の方々も多くいます。
仮設で商売を続けている事業者に話を伺うと、売り上げは年々減っていて、
新しいまちに行きたい気持ちと、借金を背負ってまで出店するリスクとの間で
悩んでいるという声も聞きます。
かさ上げ場所は下にあるから行きたくない。そんな住民の声を聞くこともあります。

他方、ゼロからまちをつくるこの機会に、魅力的な商業地をつくろうと、
この5年間悩みながらも努力を続けてきた人も多くいます。
かさ上げ場所にみんなで行って、みんなでまちづくりに参加しよう、と言った方もいました。
魂のこもったまちをつくるという、強い意志を持って前に進もうとしている人の話も聞きました。

私たちには、立場や考え方の異なる様々な想いが届きます。
一人ひとりが思い描くまちの姿は違うかもしれませんが、
いいまちにしたい、魅力的なまちにしたいという想いは一緒です。
それぞれの思いや努力をわかり合ったうえで、新しくできる陸前高田の中心地が、
魂の入った希望あふれる場所になる事を願っています。

カテゴリー: 高田のはなし 






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