【高田のはなし】五本松のはなし
10月も最終日となりました。
市内では今月からベルトコンベアーの解体も始まり、高田町・気仙町でも動きが見られます。
今回の「高田のはなし」は、高田町で地域の皆さんに親しまれていた五本松についてお話しします。
巨石と共に村上道慶碑や松が並んでいた五本松と呼ばれるこの場所は、
郷土の歴史を伝えるだけでなく、子ども達が駆け回り、地域住民の憩いの場として親しまれていました。
しかし、高田地区被災市街地復興土地区画整理事業のかさ上げ整備に伴い、
地域住民の拠り所であった「五本松の巨石」は埋め立てられることになりました。
この場所の思い出を語り感謝を捧げようと、今年5月23日夕方に陸前高田市高田町の五本松前で、
五本松有志会(代表:佐藤徳政氏)主催の「五本松ありがとう会」が開催されました。
地元内外の20~30代の若者が中心となり企画されたものです。
当日は地元森の前地区住民を主にした60人余りが集まりました。
かつてのふるさとの写真を見ながら、思い出話に花が咲いていました。
「五本松ありがとう会」では、巨石の上に5本松の模型が置かれていました。
製作したのは震災前に森の前地区で生活されていた高齢男性の方です。
巨石は古くからランドマークとして親しまれており、街道の一里塚によく見られる松の植栽と共に、
大小様々な石碑が建立されていました。
住民の間では保存してほしいという声もあったのですが、移設費や管理方法について課題が大きく、
やむなく埋め立てられることになりました。今後は見ること、触れることはできなくなってしまいますが、
【壊されずに残る】という前向きな視点を持ち、様々な手段を通して継承・表現していきたいとのことです。
「五本松ありがとう会」の模様とこれまでの思い出を収録した小冊子「五本松によりそう(製作編集:FIVED)」が
株式会社北海道アルバイト情報社の協力により発行されています。