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【高田のはなし】三陸わかめ~その①:海の作業編~

4月。新年度がスタートしました。
花々が芽吹き、色鮮やかな春を迎えている陸前高田です。

今回の高田のはなしは、3月の【CheerUp!陸前高田】で紹介した新ご当地グルメの主役となった
「わかめ」についてご紹介します。

三陸産のわかめは、肉厚で弾力があるのでその歯ごたえが特徴です。震災後に陸前高田に来たIターン者など、
初めて食べる方々はこの歯ごたえに「驚き」と「感動」を覚えるようです。国内で流通する養殖わかめの約8割は岩手・
宮城で養殖されています。岩手県では、県内最北端の種市町から最南端の陸前高田市まで多くの浜で養殖され、
高田市内でも漁師の皆さんが大切に育てています。

なぜ美味しいのか?…というと、
三陸沖は、様々な海流が入り組んだ海況になっていて(黒潮北上分派、親潮第一分枝、津軽暖流や暖水塊など)、
黒潮によって運ばれた暖水性の魚や親潮によって運ばれた冷水性の魚が集まります。
この豊かな海がわかめの生育に適しているからだそうです。(岩手県漁業協同組合連合会のHPより抜粋)

その収穫シーズンとなるのが、3月から4月。
今回、市内広田町のわかめ漁師、村上さんの収穫と作業を取材させて頂きました。

漁師の朝は「もちろん」早い!
4時50分に村上さんと同じく漁師の吉田さんと六ヶ浦漁港を出発。この日は小雨でしたが、
日中の予報が曇りから晴れということで予定通り出航です。(わかめが真水を嫌うため、通常は雨の日は漁には出ないそうです。)
船で進むこと20分ほどで養殖場に到着。わかめの筏は、約100mのロープに転々とブイが付いており、
養殖場にはこれが何本も浮いています。

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そして、本日刈り取りをする筏までやってくると、船についている3本のクレーンでロープを4m分ほど引き上げます。

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揚がってきたわかめをみてビックリ!「わ、わ、わかめだぁ~っ」て…あたり前なのですが、
その存在感に圧倒されるとともに、わかめの全貌を初めて見て衝撃を受けました。
そして、ここから刈り取り作業。左手で抱え込むように掴んで、鎌で刈る。手早い作業なので、
港を出るときに船に乗せた5つの籠はあっという間に満杯になります。あれ?もう終わり?どうするのだろうか…
と思っていると、「この先どうするんだろうと思ってるでしょ?」と村上さん。素人の胸の内は読まれておりました。

ここからはクレーン2か所の脇に束ねられていたロープの出番。このロープを広げ、刈り取ったわかめを上に載せ、
ある程度の量(※)になったら束ねます。クレーンで釣っている部分が刈り終わったらクレーンを下ろし、
ロープを横に移動させて次の部分を釣り上げる→刈り取り→移動を繰り返して、船上にはどんどん積み上げられていきます。
(※:束ねる量は、この後の浜の作業を見越して経験値で判断。使用する籠やロープについては漁師さんや漁船によって様々だそうです。)

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約3時間で2トンを収穫。養殖場には他にも4船ほど出て漁を行っていました。
取材した4月22日は、今年のわかめ漁解禁終了まで残り2日という追い込みの時期でした。

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そして、漁港に戻ると浜での作業を担うみなさんが待っていて、2トンのわかめをフォークリフトで船から降ろします。
ここまでが海(船)での収穫作業です。

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吉田さんは「今日の海は穏やかな方だぞ」と笑顔で言っていましたが、正直、慣れない素人には結構な揺れでした。
見ているだけなら「手際よくどんどん進む」作業も、約2メールの長さのわかめ2トンを収穫(漁解禁中は連日です)
するのだからかなりの力仕事です。そんな船上を黙々と動き回るお二人さすがでした。

身近な存在(食材?)でありながら、わかめ漁の様子を見るのは初めてで驚きもありました。
広田町や陸前高田出身でも海の仕事に携わっていなければ、知らない人も多いそうですが、
つやつやキラキラのわかめを見て素直に「わかめって美しい」と思い、そして海の仕事の力強さを感じました。

この後、浜での仕事が続きますが、それは次回の第2弾でご紹介します。
5月の【高田のはなし】をどうぞお楽しみに!

カテゴリー: 高田のはなし 






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