【CheerUp!】桜ライン311秋の植樹会
風とともに舞い上がる落ち葉の数や朝夕の気温や風の冷たさ、なにより初雪に冬の始まりを感じます。
11月9日(土)および16日(土)、陸前高田を拠点に活動するNPO・桜ライン311の「2013年秋の植樹会」が行なわれました。今回のCheerUp!は、その様子をお届けします。
桜ライン311では、『陸前高田市内約170kmに渡る津波の到達ラインに10mおきに桜を植樹し、ラインにそった桜並木を作ることで後世の人々に、津波の恐れがあるときにはその並木より上に避難するよう伝承していくことを活動としています。』(桜ライン311HPより抜粋)
今までに植えた桜は520本。春の訪れとともに見事つぼみがほころんだ桜もあれば、鹿の食害にあって植え替えが必要となった桜もあります。一日目(9日)の植樹では、鹿対策のために背丈の大きな苗に植え替え、二日目(16日)で新たに127本の新しい苗を市内各所の到達点に植えました。
植樹会は桜ラインにとって特別な日
日頃、桜の管理だけでなく、さまざまな啓発活動にも力を入れている桜ラインの皆さん。しかし、やはりこの「植樹会」はとても特別な日だそうです。植え始めたのは2011年秋、季節がめぐって今回で5回目の植樹となりました。
ボランティアの皆さんに支えられて
植樹は、スタッフと全国から集まる植樹ボランティアの皆さんで行われます。「また来ましたよ!」というリピーターも多く、中には第1回から皆勤賞の方もいらっしゃいます。
街の様子について、ボランティアに来られた方の一人に尋ねると、「自分が初めて陸前高田に来たときの様子は今でも忘れられない。だんだんと復興が進むにつれ、当時の様子は分からなくなる。もちろんそれはとても大事なことですが、一方で、何が起こったのかを知る手だてが少なくなるのは、なんともいえない気持ちだ。」と話していました。こうした気持ちが、この震災を風化させないという強い想い・メッセージを発信している桜ラインの活動に共鳴するのだと感じます。
また、「実は陸前高田の出身です。ずっと参加したくて、今回初めて参加できました。」という方もいらっしゃいました。普段は離れたところに暮らしていても、やはり故郷。「里帰りの時に、また桜に会いに来たい」との言葉が印象的でした。
これからも繋いでいく「桜ライン」
17,000本の桜でつくる市内の津波到達ライン。目標までの道のりはまだまだありますが、植樹会へ参加させていただいたことで、“1本の桜を植える”ことがどんな意味を持つのかを実感することができました。
ある人にとっては陸前高田と繋がるきっかけであり、またある人にとっては共に春を楽しみに待つ家族であり、そしてある人にとっては忘れられない震災の記憶であり―市内に架ける桜のラインは、人と人、想いと想いを結びあわせ、震災を風化させない強い絆をつくりあげているのだと感じました。
次の植樹は来春に予定されています。めぐる暦の中で、また訪れる「3月」。
陸前高田に春を告げる桜たちが、凛々しく咲いてくれることを願ってやみません。
○桜ライン311 HP
○Facebook「桜ライン311」
*お知らせ*
桜ライン311では、このたびのフィリピンでの台風被害への緊急募金活動を行なっています。
▽詳細はこちら
「フィリピン共和国における台風30号(国際呼称:ハイエン)の被害に対する桜ライン311を通した緊急募金活動の開始について」(桜ライン311HPにリンクします。)