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“朝日のあたる家”がつくる、だれにでも優しいみんなの居場所とは【Cheer up!陸前高田】

今回のCheer up!では、陸前高田市米崎町のコミュニティーハウス“朝日のあたる家”を運営する“NPO法人 福祉フォーラム・東北”を紹介します。

“ほっとできる居心地のいいところ”と聞いて、どんなところを想像しますか?
のんびり長居ができる、趣味のことを思いっきりできる、肩書きや生い立ちにとらわれないで自然体でいられる、安心できる・・・そんな場所は、どうやって作られているのでしょうか。

高齢者や障がいのある方も子どもたちも、誰もが気軽に立ち寄ることができる、居場所づくりの取り組みについて、職員の長友 智郷さんにお話を伺いました。

(優しい笑顔が印象的なスタッフ。左から、大倉さん、長友さん、畠山さん。)

(優しい笑顔が印象的なスタッフ。左から、大倉さん、長友さん、畠山さん。)

 

体操を通して生まれた、やさしいコミュニティのかたち

木材がふんだんに使われ、天井が高く、とても気持ちの良い空間が魅力的な“朝日のあたる家”。取材に訪れた日は、週2回実施されている“いきいき百歳体操”が行われていました。参加者は主に高齢者の方々で、この日は雪が残るため11名の参加でしたが、多いときには20名ほどいらっしゃるそうです。

一番前に座っていた参加者の方が、ジョークを交えながら開始の挨拶をし、とても和やかな雰囲気。30分ほどのビデオを見ながら「イッチ、ニー、サン、シー!」と、みんなで大きな声で数えながら、ゆっくりと体を動かしていました。

いきいき百歳体操

もともとは陸前高田市役所から「ここでいきいき百歳体操をやりませんか?」と案内されて1年ほど前に始まりましたが、いまは参加者が主体となって続けています。その効果は大きく、坂道の途中で休まずに上れるようになったり、背骨が曲がった方の背筋が伸びたり。また、会場に来るまでの移動も運動になるそう。

体操の後は、各自が持ち寄ったお菓子や果物を囲んで、にぎやかなお茶会。「○○さん、元気だった?」「●●さん、前話していたことだけど・・・」「最近□□さん来ていないけど大丈夫かな?」と、お互いに名前で呼び合い、親しげな様子。

初対面の私にも、どうぞどうぞとお茶やお菓子をすすめてくれて、家族や暮らしのことなど、色々なお話を聞かせてくださいました。

体操の後はみんなでお茶会

さまざまな地域からの参加ですが、ここで出会い、お互いを思いやり、自然と笑い声が生まれる、あたたかい空間ができていて、「これこそコミュニティというものかも・・・」と感じたひとときでした。

“だれでも”“いつでも”が徹底された、みんなの居場所

NPO法人 福祉フォーラム・東北が設立されたのは震災後の2012年2月のこと。その後、社会福祉法人 朝日新聞厚生文化事業団に寄せられた東日本大震災救援募金によって、2013年2月に“朝日のあたる家”が建設されました。

開館時間内であれば、だれでもいつでも利用することができます。お話ししたり、勉強したり、楽器の練習をしたり、予約をすれば広くてきれいなお風呂も利用することができます。

「被災していないけれどいいの?」と聞かれることもあるそうですが、心配はいりません。どんな方でも、明るいスタッフのみなさんが待っていますよ!

現在、いきいき百歳体操以外にも、認知症について語り合う“アップルカフェ”や、備え付けのキッチンでみんなで料理をして食べる“みんなでごはん”、趣味のことを思い思いに楽しむ“手芸の輪”“囲碁”が定期的に開催されています。

 

イベント情報がたくさん掲載されている会報“おはやがんす~”

(イベント情報がたくさん掲載されている会報“おはやがんす~”)

また、おやこの広場きらりんきっずや、打楽器演奏、歌の練習など、他の団体が利用することも。ただし、団体の人だけでなく誰でも参加できること、参加費を取らないこと(材料費は可)、建物全体の貸切はできないことが条件です。地域の方に“いつ来ても受け入れてくれる場所”として認識してもらうための工夫なのですね。

大切なのは、来館者さんがいま何を求めているのか。

新しい施設なので、まずは近所の方に来てもらうきっかけづくりとして、スタッフが地道に声をかけたり、会報の配布をこまめに行うことから始めたそう。今では一度イベントに来た方が友人を誘うなど、口コミで利用者が増えてきています。

今後の取り組みを聞いてみると、現在利用が多いのは高齢者と親子だけれど、交流がなかなか生まれていないので、市内の施設と連携して、お互いに元気になるような世代間交流ができないかと考えているそうです。

また、仮設住宅から災害復興公営住宅へ移り、さらに新しく建てた家へ引っ越す方が多く、高齢者の身体的な負担を心配していて、高齢者の健康・医療に力を入れたいそう。ただ、公共交通が少なく、移動手段が無いことが課題となっています。

「スタッフが全員、団体の都合ではなく、来館者さんのことを常に一番に考えているんです」と長友さん。日々変わる地域の状況を見つめ、本当に必要な場所が何かを追及しています。

 

朝日のあたる家 外観

 

朝日のあたる家は、地元の方はもちろん、市外の方も気軽に利用することができます。趣味の発表の場や、誰かに聞いてもらいたい話をしに、ぜひ一度訪れてみて下さいね。

いきいき百歳体操のみなさん、スタッフのみなさん、ご協力ありがとうございました!

 

(参考リンク)
■ NPO法人 福祉フォーラム・東北 (朝日のあたる家)

・ 当サイト団体紹介ページ
http://rikuzentakata-mpf.org/nakamasyousai/81_fukushiforum-tohoku

・ WEBサイト(外部リンク)
【福祉フォーラム・東北】http://www.ff-japan.org/fft/
【朝日のあたる家】http://asahinoataruie.org/
※イベント予定表・開館時間・定休日・アクセスなどが確認できます。

・ Facebookページ(外部リンク)
【朝日のあたる家】https://www.facebook.com/asahinoataruie.takata/

カテゴリー: Cheer up! 陸前高田 






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