HomeCheer up! 陸前高田 > 【Cheer Up!陸前高田】人形劇グループ「ポレポレ」~地域に笑顔とエネルギーを~

【Cheer Up!陸前高田】人形劇グループ「ポレポレ」~地域に笑顔とエネルギーを~

市内の産直にばっけ(ふきのとう)が並ぶようになりました。
陽の色も暖かさを増して春を感じる陸前高田です。

今月の「CheerUp!陸前高田」は、市内で20年以上活動を続けている人形劇グループをご紹介します。

人形劇グループ「ポレポレ」は1992年に結成されたアマチュア人形劇団です。
「ポレポレ」とは、スワヒリ語で「のんびり、ゆっくり」の意味。
おはなしの世界で子どもの心を解放し豊かな心を育むことを目的として、
昔話を題材にしたオリジナル脚本の人形劇を保育園、公民館などで上演しています。

2月24日に米崎保育園で行われた公演にお邪魔させていただきました。
公演は「ポレポレ」のテーマソングを子どもたちと一緒に歌って踊って始まります。
続いて、会場の照明を落とす前に「暗くなるけど、先生もお友達もいるから大丈夫だからね」と、
子ども目線での優しい声掛けをしてから劇がスタート。

IMG_5555 IMG_5571

今回の演目は「たのきゅう」。
人気旅役者たのきゅうが、母親の見舞いで故郷の村に戻る途中、山道で怪物うわばみ(大蛇)に会うというお話です。
大きなうわばみの登場には、驚いて会場の後ろまで逃げる子もいましたが、
村人が退治に行く場面では。青柿の実を一緒に投げて客席から参戦。
大きな歓声が上がっていました。「怖かったけど退治できたよ」と話す園児たちの笑顔が印象的でした。

子どもたちの反応を見ながら語りかけるように演じる様子は経験があればこそ、と感じましたが
実は、東日本大震災後は活動を一時休止していました。かけがえのない大切な仲間を失い、道具はすべて流され、
残されたメンバーは、それぞれの一日一日で精いっぱいでした。それでも、励まして下さる周囲の声に後押しされ
「もう一度子どもたちにポレポレの人形劇を楽しんでもらおう」という思いを奮い起こし活動を再開されたそうです。

現在のメンバーは女性7名。それぞれに主婦業や子育て、仕事と両立しながら活動を行ってきました。
自分の子どもを会場の保育園で見てもらいながら演じたこともあるそうですが、
結成当時から現在まで、市外から結婚などを機に移り住んだメンバーも多く「ポレポレの活動を通じて地域に溶けこめた」と言います。

地域の子どもたちと一緒に人形劇の世界を楽しむことに共感し、意見を出し合いながら人形作り、練習、公演をすすめる中、
人形劇を通じて地域とのつながりも生まれ、「ポレポレ」がメンバーの皆さんにとって大切な居場所になっていきました。
震災後も、避難する中でメンバーと話をして癒されて、話ができる仲間がいるありがたさを感じたそうです。
さらに、活動を続けることで公演を楽しみに待っていてくれる人がいることを実感し、それが継続のチカラになると仰っていました。

震災から4年が経ち、住宅再建や災害公営住宅への入居等の動きの中で、新たなコミュニティづくりの重要性が話されます。
元々住んでいた地域を想う気持ちと新しい場所での不安、先行きが見えない不安を抱える方がまだまだいらっしゃいますが、
市民活動を通じて地域に貢献することが自分の居場所になることもあると感じます。
子どもや地域の方の笑顔は、何よりもまちを元気にしていきます。
笑顔とエネルギーを届けるポレポレの活動、今後も応援していきたいと思います。

カテゴリー: Cheer up! 陸前高田 






コメントを書く







コメント内容


画像投稿 (JPEG画像 横幅900ピクセル以内でお願いします)