【高田のはなし】カゼのはなし
定点観測の写真撮影中にカゼをむいている現場に遭遇しました!
作業風景の撮影に快くご協力頂きましたので、協力者様に感謝をしながら、今回はカゼをご紹介します。
6月の頃から、浜の方へ行くと「カゼの口開け(開口)」という言葉が聞かれます。
“カゼ”ってなんだろう?と思われる方もいらっしゃるのではないでしょうか?
「風」のことでも「風邪」のことでもないのです。
“カゼ”というのは「ウニ」のことで、特にこの辺りではよく採れる「キタムラサキウニ」のことを“カゼ”と呼びます。
「口開け」はカゼを採ってもいい日のこと。
あわびの時も「あわびの口開け」のお知らせが漁師さんたちへ届きます。
(ちなみに、バフンウニは“ボウズカゼ”と言います。
形状が丸刈りの頭に似ていることから“ボウズ”だそうです。)
今回お邪魔したのは気仙町長部地区の要谷(ようがい)でした。
広田では箱メガネで海中をのぞいてカゼを見つけ、カギという道具で引っかけて採りますが、こちらではカゼの好物である昆布をかご入れておびき寄せて採る漁法を用いているそうです。
水中の透明度が高いところであればカギで採れるのですが、低いところでは海中のウニが見えないため、かごを使うとのことでした。
採ったカゼは早いうちに身をむいてしまいます。
まず、大きなペンチの様なハサミを口に差し込み、ぱかっと二つに割ります。
割ったカゼの内臓など黒いところを割り箸で取り、海水で汚れを落とします。
きれいになったところで、黄色い身の部分を取り出します。
きれいな身がたくさんとれています!
カゼのサイズは小さなものから野球ボール大のものまで様々でしたが、意外に大きい方が中身がなく、小さい方がきれいなのだそうです。
色は黄色に近い方が良い、と教えて頂きました。
突然のお願いにも関わらず、写真の撮影やお話しを聞かせていただいた漁師さんとおかあさんたち、ありがとうございました!