【Cheer up!】高田町の暮らしと町づくりを考える会
比較的雪の少ない冬を過ごしている陸前高田市です。
昨年はもう少し積雪があり、雪の降る日も多かったように記憶していますが、今年は例年よりも暖かい日が多いかもしれません。
1月の最終日となった昨日31日は雪が降り、寒い夜となりました。
そんな中、住民主導のまちづくりに関する話合いの場が設けられましたので、今回はその様子をお伝えします。
この企画は高田地区コミュニティー推進協議会が主催となり、市内の様々な取り組みを学び、参考にしながら、これからの高田町の暮らしをより良いものにしていこう!そのために、お互いの希望や不安を共有し、「建設的で思いやりのある意見交換の場」にしよう!と企画されたものです。
第1回目となるこの日は、以下三つの取り組みを学び、意見交換が行われました。
【取り組み①】
「高田町の住宅再建と復興まちづくりに向けて」~仮設住宅の住まいと暮らしに関する意向調査をもとに~
スピーカー:陸前高田地域再生支援プロジェクト 法政大学 宮城 孝氏
2013年8月に市内仮設住宅居住の2020世帯を対象に行ったアンケートの結果報告と、集計から見えてきた課題についてが共有されました。
仮設住宅での暮らし、そして住み慣れた地域から離れた場所での生活に対するストレスが見えました。
更に、仮設を出た後への不安も、聞き取り調査の中からは出てきた様子です。
参加者からは、「市役所はちょっと敷居が高いと感じることがある」「コミュニティの中に気軽に立ち寄れて話が聞ける機能を持った場所がほしい」などの声が聞かれました。
【取り組み②】
(仮称)川原サイコウ勉強会
スピーカー:(仮称)川原サイコウ勉強会 村上 毅彦氏
川原サイコウ勉強会は、高田町うごく七夕の祭り組の一つでもある「川原祭組」が軸となった、住民による勉強会です。
震災後コミュニティの心の拠り所であった川原祭組を軸に、集まって話をしたいとの想いから12月に第1回目の会合を開催しました。
集まること、話をすることの難しさを感じながら、意見交換の場として第2回目の会合も開催。
高田町と一言にいっても問題は様々ありますが、住民と行政が手を取り合い、力を合わせて+αの力を借りて、個人の再建と地域の再建を目指しています。
集まりを通して、「みんなが同じことを悩んでいたんだ」と知る事が出来たと村上さん。
知る事が出来たことが、今回「最大」の成果だと感じるとの言葉が印象的でした。
【取り組み③】
陸前高田 住まいの再建を考える会
スピーカー:武蔵 和敏氏
被災当初より被災した住民同士が集まる機会も多く、話をすることで色々なところとつながり、アクションを起こすことが出来たと武蔵さん。
その後家が出来るまでにできることは無いかと考え、みんなで勉強する事にしたというのが、「住まいの再建を考える会」のはじまりなのだそうです。
以前は土地があることで自分たちの家があり、コミュニティがありました。
アパートでの生活をしたことがない人にとって、アパートで暮らしをすることは想像する事もできないことだったのではないでしょうか。
まちづくりももちろん大切だけれど、自宅の再建に関して多くの住民が悩んでいます。
自宅の再建無しにまちづくりを進めることは出来ない、と強くお話しされていました。
住居を失い仮設住宅や借り上げ住宅など仮の家で暮らす人々にとって、強く望むことは「我が家」を再建する事です。
我が家があって、そこからそれぞれのコミュニティがつくられていき、まちづくりに繋がっていくのかもしれません。
今回は住民が中心となった取組の紹介を通して、住民のみなさんが抱えている課題を知る事が出来ました。
そこに私たちはどういう関わり方が出来るのか、どこの部分を一緒に考え、どのように進んでいく事ができるのか?
サポートする立場の中でも共有し、みんなで考えていかなければならないことだと感じました。
今後も継続したいというこちらの取組みを見守りながら、応援していきたいと思います。