【高田のはなし】正月の伝統行事「悪魔払い」と「みずき団子づくり」
大寒も過ぎましたが、今日は陸前高田での正月の伝統行事をご紹介します。
正月を代表する伝統行事として、「悪魔払い」が行われます。
「悪魔払い」は地区によってその形式、内容、日にちなどが様々で、地域色の強い伝統文化の一つです。
形式は多様ですが、概ね住民や子どもたちが民家などを巡り、獅子舞と勇壮な舞に元気な掛け声を合わせ、新年の無病息災と復興を願います。
高田町の川原地区では、この獅子頭は「権現さま」と呼ばれる神様で、「頭固め」(頭上で噛む仕草をしていただく)により、厄が祓われる(悪魔祓い)とされています。
本来は各民家を門付けして歩く権現様ですが、震災後は旧町内の住民が各仮設にバラバラに住んでいるため、いくつかの地区が、車移動でそれらを巡回する形式で行事を継続しています。
今年開催された川原組での悪魔祓いの様子を、プラットフォームのFacebookページに掲載しております。ぜひご覧ください。
Facebookページ(1/12付けの記事)
それから、岩手県に古くから伝わる小正月の風習で、「みずき団子」づくりがあります。
これは、五穀豊穣を願って紅・白・緑など色とりどりの食紅で色づけられたお団子をみずきの木の枝に飾るもので、
みずきの枝を用いるのは「みずき=水木」に通じるところから火事にならないように、田畑の水がかれないようにという願いが込められています。
各地区ごとに作られるほか、施設などでも行事として開催されています。
(参考:「きらりんキッズ」での団子づくりの記事)
http://kirarinkids.blogspot.jp/2012/02/blog-post_3946.html
震災後はこうした地区内の小さな行事を開催することが難しくなった地域もあります。
大きなお祭りだけでなく、より地域色の強い「節のもの」(=季節の行事)を次世代へ伝え、継承していくことは、コミュニティのつながりを強める役割としても、重要なまちづくりのピースのひとつだと感じました。